■世界の若者が集まるCOY17の様子
私たちFridays For Futureのメンバーは、11月2日から11月4日にかけて、COY17(Conference of Youth 17)に参加しました。COYは、COPに先駆けて、世界の若者たちが気候変動への取り組みについて議論を交わすイベントです。
COY17の会場には、活動家や研究者、スーツを着たビジネスマンなどが来ていました。COYのプログラム以上に、その会場での活動家との交流が有意義なものでした。私たちは、Fridays For Future(FFF)のメキシコのメンバーと出会い、それぞれのグループが、現状の活動では、なぜ十分な変化を起こせていないのか、どのような壁に衝突しているのか、などについて話し合いました。
彼らと話していくと、「地域ごとに独立して活動を行なっていて、国内全体で連携ができていない」という共通の課題が見えてきました。この課題について、COP27を契機に国内だけでなくメキシコなど海外の活動家とも協力し、環境汚染プロジェクトを廃止するために一緒にアクションを行っていきたいです。
また、メキシコやインド、キルギスタンなどから来た人々に、彼ら彼女らのコミュニティで具体的にどのような環境汚染プロジェクトが、誰によって行われていて、それに対してどのような動きがあるのか、そして彼らの思いについてインタビューを行いました。そこから、私たちは、どのような点で協力していけるのかを議論しました。中でも、メキシコから来たアクティビストには具体的なプロジェクトについて聞くことができました。
■メキシコの活動家の話から見えてきた、企業による環境破壊の実態
メキシコでは、Pemexという国営企業による石油の採掘事業や、Tren Mayaという観光のために森林を切り開き電車を通す事業などが進められていて、現地では大きな問題になっています。「その開発は現地の人々のためになっていない」と話していました。
これらの問題に対しては、プロテストを行なっていますが、逮捕される人もいます。彼は「逮捕されるとしても命に関わることだからプロテストするしかない」と言っていました。また、気候変動はただ「環境が破壊される」だけの問題ではなく人々の人権が奪われる、不正義が生まれる問題だという認識が私たちと共通していました。
さらに、コカコーラについて、メキシコから水を奪って現地の人々の生活を壊しているのに、なぜCOP27のスポンサーなのか、と怒りを見せていました。彼は、コカコーラに対して、オンラインのキャンペーンを行ってきました。
■日本では問題にされていない、メキシコでの日本企業の環境破壊
環境破壊や人権侵害を引き起こしている様々なプロジェクトの中でも、私たちが一緒に活動を行なっていけると感じたのは、ある有名な日本の自動車会社による川の汚染です。工場から未処理の排水が川に流され、ゴミも捨てられています。その川は、有毒物質によって泡が発生しています。以前子供が川に落ちた時、すぐに亡くなってしまったそうです。地域の人たちは、その子供が汚染によって亡くなったと考えていますが、企業は、それを否定しています。
インタビューをした活動家が言っていたのは、「そこは子供たちの遊び場でとても危ない、なぜ企業がそのようなことをやっているのか理解できない」ということでした。
このメキシコの事例を含め、日本企業は日本国内ではばれないだろうと、海外で多くの人々の命を奪うプロジェクトを多数進めています。COY17とCOP27を通じて繋がった世界の活動家と連携して、今後は企業に対する同時アクションなどを行っていきたいです。